原始仏教 仏陀が教えた原初の教え(3/4)
◇「執着を捨てる」ことを教える。
煩悩の中で無明に匹敵する「執着」。
もう一つの無明のもとになっている、自分、すなわち、「自我」というものにたいする誤った認識です。
執着は、この「自分中心」の世界観から発生するのです。
自分中心の考え方に立つ限り、欲望は消えませんし、きりがありません。
そこで、その中心人物たる自分を、
「それは実在しない仮想の存在である。」
と考えるのです。
これを。「諸法無我」といいます。
「諸行無常」「諸法無我」この2つが、世界を正しく見るための羅針盤です。
ブッダは、こう考えました。
「無明が苦しみを生む」と。
無明による自己中心の誤った世界観は、必ず現実世界との間に大きな食い違いをもたらし、
「こんなはずではなかったのに」と自縄自縛の状態に陥ります。
ブッダによれば、この世の一切の事物は自分のものでないと自覚して、自我のむなしい主張と縁を切った時、初めて苦しみのない清らかな状態を達成できるということのようです。