原始仏教 仏陀が教えた原初の教え(2/4)
◇「うらみから離れる」ことを教える。
人の心には、なぜそのような苦しみが生まれるのか?
あらゆる現象の裏側には因果の法則が作用します。「怨み」も現象の1つです。
苦の生じるプロセスに、十二縁起(苦が生じる根本のスタート「無明」⇒「行」⇒「識」⇒「名色」⇒「六処」⇒「触」⇒「受」⇒「愛」⇒「取」⇒「有」⇒「生」⇒「老死」)があります。要するに、「無明」のせいで物事の本質を理解していないために、老いや死への恐れ、苦しみが生じるというプロセスです。
これを、「流転門」といいます。
この流転門のプロセスを理解したうえで、心の修練を繰り返し最初の「無明」を消すことができれば、後はドミノ倒しで各段階が消え、最後に「老死」の苦しみも消えます。
これを「還滅門」といいます。
「無明」と言う「煩悩の親分」に惑わされて、いろんな愚行に走り、それが因となって、「恨み」などの二次的煩悩が生まれる。
「無明」とは、愚かさです。「智慧(明)」が「無い」ことです。
智慧が無いとは、「この世で起こっているものごとを正しくとらえる力がない」ということのようです。
この世で起こっている正しい姿とは、「すべてうつろう」ということです。
そう、「諸行無常」ですね。
「すべてのものは時々刻々と変化するのであり、永遠不滅のものなど、どこにもない」ということです。
ブッダは、こう考えたようです。
私を取り巻く世界は、すべて因果の網で繋がった無情転変の存在にすぎないのです。
「すべてうつろう」で「諸行無常」の世界です。
ブッダによれば、諸行無常の世界を正しく認識し、無明(恨みを含む。)を離れることで、人が
平安に達することができるということのようです。